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ビヨンドミート(続)培養肉は食卓の救世主となりうるか?

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原油やとうもろこしなどの飼料といった、いわゆる資源価格の高騰。

資源価格の高騰に伴い、我々の食卓に並ぶお肉のお値段も値上がりを続け、ミートショックなんかと揶揄されております。

価格の問題や環境問題への意識の高まりもあり、近年注目されている代替肉、俗にいうビヨンドミート。果たして日本の食卓を救うことはできるのでしょうか。

日本における食肉をとりまく環境

先日お肉の代替品には大きく植物性代替肉と培養肉の大きく2つがあるよーといったお話をしましたが、今回は培養肉についての深堀りとなります。

ということで、いつものとおりざくっと、日本における食肉のとりまく環境を見ていきたいと思います。

まず、食肉の自給率に関していうと、令和2年度の肉類全般の自給率は、53%となります。

そのうち、

  • 牛肉は36%
  • 豚肉は50%
  • 鶏肉は66%
といった割合であります。
これに飼料自給率の25%を勘案すると、実質的な食料自給率の数字はさらに低くなるといった感じになります。
具体的な、計算式は分かりませんが、同飼料自給率を反映した場合、令和元年度ではそれぞれ
  • 牛肉は9%
  • 豚肉は6%
  • 鶏肉は8%
といった具合となっておりました。令和元年と2年で大きな食料自給率の違いはないため、大体似たような数字になるのではと思われます。
いやはや、単純に日本で生産されていればよいという問題でもなく、飼料についても国産か、輸入品か、といった点も食料自給率を考える上では考慮しないといけないということで、中々難しいものであります。
飼料に関しては、以前記事にもあげていますので、ご興味ある方はどうぞ。

急成長を見せる培養肉市場

次に、培養肉自体のマーケットはどうなのよということで、まず、市場規模全体としては、ATカーニーのレポートによると、培養肉の市場規模は、2040年までに約63兆円ほどの市場規模になるという風に言われております。
従来の食肉や植物性代替肉をを含めた食肉全体の35%ほどを占めてくると予想されております。
出典:ATカーニーのレポートより
市場規模や成長率としても、非常に魅力的なマーケットでございます。
そんなマーケットに対して、日本や民間企業はどういった取り組みをしているのかといいますと
等々と、培養肉の商用化に向けて動き出しているような状況であります。

今後の課題は?

このように、マーケットの魅力としては、申し分ないような感じですが、もちろん課題もあります。
まずは、なんといってもコスト面ですね。
どこぞの記事では、ハム1枚に数万円かかるとかで、このあたりのコスト面については、ビジネスにおいてダイレクトな問題と言えると思います。
また、法律面も問題となってきます。
現状、この「培養肉」をどのように定義し、どういった規格や法律で管理するのかといったところも、今後議論が必要となってきます。
この辺りは、衛生や食の安全基準なども絡んでくるため、消費者にとっては、非常に重要な点と言えましょう。
では、その消費者側の問題はというと、この培養肉というものをどれほどの人が受け入れるのか、といった消費者側受容の問題も出てきます。
この辺りは、個人の趣向によるものであり、強制できるものでもないので、なんとも言えないところなのかという風にみております。
もちろん、既存の畜産業とは、ビジネス上競合という形になりますので、市場の新規参入者として、既存の事業者との戦いに勝ち残れるのか、といったシンプルな問題もございます。
こういった様々な問題をクリアして、いつの日か我々の食卓に当たり前に並び、食卓を救う救世主となることができるのか、今後の動きに注目していきたいところであります。

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ということで、本日はここまで。

この記事がみなさまのお仕事の一助になれば幸いです。

今日は年度最終日です。みなさん1年間お疲れ様でした。それでは今日もいってらっしゃい~

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