我々の食卓から欠かすことのできないお肉。
フルコースでは主菜を飾り、味はもちろんのこと貴重なタンパク源としても、食生活において、重要な役割を担っています。
そんな食肉が、環境保護や食料需給の問題によって、市場では大きな変化を見せています。
その中でも注目されているのが「ビヨンドミート」と呼ばれる、お肉の代替品。今後市場ではどのような動きを見せていくのでしょうか。
盛り上がりを見せるビヨンドミート市場
それでは、ビヨンドミートと呼ばれる市場の外観を見ていきたいと思います。
農林水産省(一般社団法人能率協会調査)によると、まず、俗にいうビヨンドミートとは、代替肉といわれており、大きくは植物性代替肉と培養肉に分類されます。
- 植物性代替肉:大豆や小麦、エンドウ豆などの植物性原材料で作られたお肉を指します。さらに植物性代替肉のなかでも、一般消費者向けに植物性タンパク質を添加したものと主にヴィーガンの人向けに添加していないもののがあります。
- 培養肉:動物の細胞を体外で組織培養して得られたお肉のことを指します。
ATカーニーのレポートによると、このような植物性代替肉や培養肉は、2040年までに食肉市場の60%を占めるとされており、文字通り従来の食肉を代替していくものになっていくとみられています。
また、世界的な市場を見てみると…
- 株式会社グローバルインフォメーションによると、世界の植物性代替肉の市場規模は、2028年までに約185億米ドルに達すると予測
- 同社による、培養肉の世界の市場規模については、2021年の164万米ドルから2030年には約28億米ドルに達すると予測
という風に、市場としても着実に伸びていくことが示唆されていたりします。
ビヨンドミートが広がる背景
近年、ビヨンドミートが注目されている背景として、地球環境問題に対する意識の高まりが挙げられています。
一般的に言われているのが、牛からゲップとして排出されるメタンの問題です。食肉用の牛を育てる際に、牛の胃腸から、「ゲップ」として排出されるメタンは、二酸化炭素の25倍の温室効果があるといわれており、二酸化炭素に換算すると年間20億トン、温室効果ガスの4%を占めるとされ、問題視されてきていました。
ヴィーガンの方たちは、動物愛護の視点や環境問題への配慮もあり、採食主義を選択する方たちもいらっしゃいます。
もう一つ、注目される視点としては、食肉に対する需給への対応があります。こちらは、どちらかというと、培養肉に当てはまるかと思います。
農林水産省によると、世界全体での食肉(牛の他、豚、鳥も含む)に関する需要は今後も増加していくと見込まれいます。特に発展途上国から需要が多くなるものと見込まれており、今後どのように供給していくのかが話題に挙がっています。
食肉を育てるにあたっては、豊かな土地の確保や大量の飼料が必要となります。そうすると、物理的に生産量に制約はかかってきたり、飼料価格高騰の問題も出てきている昨今、コストの問題も出てきたりと、需要に対して十分な量を供給できるのか?といったところが課題となってきます。
そういった中で、土地や飼料の問題を度外視して、培養により生産量をコントロールできる培養肉に注目が集まっているというわけです。
これをビジネスチャンスととらえ、大手食品メーカーや多数のスタートアップ企業が市場に参入してきています。
また、日本でも、ビヨンドミートを含むヴィーガン向けの食品に対して、「ベジJASマーク」という新たな食品企画を制定する動きも見せており、ビジネスとしても今後盛り上がりを見せることと思います。
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ということで、本日はここまで。
この記事がみなさまのお仕事の一助になれば幸いです。
明日から3連休です!ラスト1日も頑張りましょう!
いってらっしゃい~
本日のインプット:テレビ東京 ワールドビジネスサテライトより。