携帯電話に始まり、時計やメガネ、アクセサリーなど、これまで身近にあった端末は、近年高度な電子デバイスに置き換えられつつあります。かつての装飾品は、今では生活を便利にするための、重要なツールに様変わりしてきました。
拡大するウェアラブル端末市場において、デバイス販売で競争を繰り広げるメーカー。戦略の先にあるのは、端末から得られる多種多様なデータの取得。
アナログとデジタルが高度に連携することで我々の生活には大きな変化が訪れようとしています。
拡大するウェアラブル端末市場
まずは、ウェアラブル端末市場の外観を見ていってみたいと思います。
まず世界的な市場を見てみると…
・株式会社グローバルインフォメーションによると、ウェアラブル技術の世界市場は2021年の1,162億$から2026年には2,654億$と、倍以上の増加
・IDCによると、ウェアラブル端末の出荷量ベースでみると、2020年の3億9600万ユニットから2024年には約6億3700万ユニットと、こちらも1.5倍以上の増加
という風に、ここ5年ほどで着実に伸びていく市場という風にみられています。
サービスのセグメントとしては、多岐にわたりますが、ヘルスケア/フィットネス分野(健康・活動量管理)を中心として、エンターテイメント(AR/VR)、ペイメント(決済)といったところが、身近なところではないでしょうか。
端末別にみてみると、スマートウォッチやスマートバンド、スマートグラス(眼鏡)、ヒアラブル端末(イヤホン)、指輪やネックレスなどのアクセサリタイプ、ボディウェア(服)等が、ウェアラブル端末として出回っているかなぁという感じです。
ウェアラブル端末の主な用途としては、データを取得し、普段の生活にフィードバックすることで、間接的に生活や機能向上に関わっていくもの(内製タイプ)と、外付けハードウェアのような形で人間の機能を直接的に拡張していくもの(外勢タイプ)の大きく2つがあるのかなぁという風にみています。
スマートリング。指輪で簡単にキャッシュレス決済
そんな中、決済分野でもウェアラブル端末による決済が進んでいます。
株式会社エブリングでは、プリペイド型のスマートリングで、指輪型のデバイスを装着し、決済端末に近づけると、触れることなく、決済が完了できるといったものであります。
チャージは専用のアプリから事前にチャージをしておけば決済が可能で、充電も必要なく、バッテリーレスに使えるところが特徴のようです。仕組みとしては、SuicaといったICカードをイメージして頂けると分かりやすいのかなと思います。
クレジットカードは、VisaやJCBといった主要なカード会社は利用できるようです。
Visaのタッチ決済対応マークのある店舗での利用が可能です。このあたりは、まだ使えるところが限定的かなぁという印象です。
ウェアラブル端末の市場の流れとコロナによる非接触の流れに乗った面白いサービスだなぁと思いました。リング型の決済端末もスタイリッシュでよろしいのではないかと。
このように、同じ種類の端末でも用途は異なったりと、端末と用途の組み合わせによって様々なサービスに応用がきくといったところは、ウェアラブル技術の面白さの一つではないかと思います。
ウェアラブル市場の行きつく先はデータビジネス
ウェアラブル市場の今後の普及を分析していくにあたり、ハードウェアの市場とソフトウェアの市場の大きく2つを見ていく必要があるのかと思います。
そして、注目すべきは後者のソフトウェア市場であります。
端末から取得できるデータは、バイタルデータや位置情報、ユーザーの行動履歴など、多岐にわたり、今となっては、サービスの分析や開発にはデータはなくてはならない存在となっています。
ウェアラブル端末のメーカーなどからも、データを活用したアプリケーションやサービスといったものが今まで以上に増えてくるのかと思います。
もちろん、ハードウェア領域も、iPhoneのように、端末そのものの魅力でユーザーを引きつけているものもありますし、今回のスマートリングのようにスタイリッシュさといった感性に投げかけてくるようなところは、ハードウェアならではの魅力といえましょう。
ハードウェアで入口を広げて(ユーザーをつかむ)、データを活用したサービスを展開することでさらに規模を拡大していくといったところが、近年のハードウェア・ソフトウェア一体の戦略なのかと、思うところであります。
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ということで、本日はここまで。
この記事がみなさまの本日のお仕事の一助になれば幸いです。
それでは、本日も頑張りましょう!いってらっしゃい~
本日のインプット:テレビ東京 ワールドビジネスサテライトより。